「ベンツの車検費用は高い」というイメージを持っている方は多いと思います。
実際にベンツの車検を通した方の口コミを見ると、30万円前後は当たり前。50万円オーバーも珍しくなく、なかには100万円ほど車検費用がかかったという人もいます。
車が古くなれば車検費用が高くなるは当然ですが、国産車でもここまで車検費用に大きな差が発生することはあまり聞きません。
そうなんです。“ベンツの車検費用には車によって大きな差がある”というのが特徴なんです。
なぜこれほどまでに車検費用が違ってくるのでしょうか。まずは車検費用の内訳について整理してみます。
車検時に必ずかかる費用
以下の法定費用を支払うことで車検が受けられます。
- 重量税(車両重量によってかかる税金)
- 自賠責保険(車検時に必ず加入する強制保険)
- 検査手数料(印紙代)
重量税は車検証の【車両重量】によって決まります。
また【エコカー減税】や【経過年数】によっても税額は変わります。自賠責保険は2年分を車検時に支払います。
ベンツの車検費用の一例
重量税(1,500~2,000kg) | 32,800円 |
自賠責保険料(24ヶ月) | 25,830円 |
検査手数料(印紙代) | 1,800円 |
車検費用の合計 | 60,430円 |
※エコカー減税なし。経過年数13年以内。
※自賠責保険は改定後(平成29年4月以降)の金額です。
上記でご覧いただいたように、じつはベンツの車検費用はたったの6万円で済んでしまいます。(合格基準を満たすには点検整備が必要です。)
法定費用はベンツだけ特別に高くなっているわけではありません。Eクラスとクラウン、CクラスとマークXなど、国産車も輸入車も法定費用は同じ金額です。
ではなぜベンツの車検が高いといわれるのでしょうか。その理由をまとめてみました。
ベンツには法定24ヶ月点検が必須
車検を受ける際に法定費用以外に必要なものが1つあります。それが法定24ヶ月点検です。
法律で定められた点検なので、2年ごと(新車の場合は3年)に必ず点検・整備を実施しなければなりません。
この法定24ヶ月点検ですが、じつは整備工場などに出さずに自分で実施しても良いことになっています。
しかし点検項目は、室内・エンジンルーム・下回り・外回り・足回りの全56項目と多岐にわたります。
自分でやるとなると、それなりの設備や工具に知識や技術も必要です。
また法律で定めらた点検ですが、点検・整備をしなくても罰則はありませんが、そのままの状態で公道を走るのは非常に危険です。
ベンツは定期的な点検整備をしておくことで、後々に大きな故障をするリスクも少なくすることができます。
ベンツに安心して長く乗るためには法定24ヶ月点検の実施が必須です。
ベンツの24ヶ月点検をするなら、ディーラーまたは整備工場などにお願いすることになります。
ただし点検のみを受け付けてくれる整備工場はまずありません。24ヶ月点検を受けるなら車検もセットになっているのが一般的です。
24ヶ月点検の費用は場所により違いがありますが、2万円~5万円程度が相場になっています。
ヤナセなどディーラーの点検整備代は、ガソリンスタンドや整備工場に比べて少し高めと言われています。
それでも5万円程度。法定費用と合わせても車検費用の合計は11万円にしかなりません。
つまり、ベンツの車検費用の消耗部品の交換工賃や部品代が大半を占めていることになります。
ベンツの車検はなぜ高いのか
ベンツの車検費用が高くなる理由は3つあります。
- 消耗品の交換サイクルが早い
- 交換部品の価格や工賃が高い
- 予防整備と過剰整備
消耗品の交換サイクルが早い
ベンツなどの欧州車は走行性能を重視した部品が使われており、耐久性を重視している国産車よりも消耗品の交換サイクルは早くなります。
例えばブレーキパッド。効きよりも長持ちを重視している国産車に対して、ベンツのパッドは良く効きますが減りが早く汚れやすい特徴があります。
定期的なメンテナンスをすることで、ベンツの性能を維持しつつ長く乗ることが可能になります。
交換部品の価格や工賃が高い
交換部品はドイツ本国からの輸入品となるため、国産部品より割高になるのは仕方がないことです。
しかしそれ以上に、交換部品のすべてを新品で対応する整備工場が多いことも、費用を高くする原因です。工賃も国産車に比べて割高になっています。
予防整備と過剰整備
ディーラーの車検整備は、まだ交換する必要がない部品でも、安全のためにあらかじめ交換するという予防整備の考え方が基本にあります。
例えばブレーキパッドの寿命が2万キロだとして、前回の交換からまだ1万キロしか乗っていなくても、安全重視という理由で交換をすすめるのです。
これは時として過剰整備ともいわれ、ディーラーの車検費用が高くなる1番の理由にもなっています。
ベンツの車検費用を安くするコツ
ベンツの車検費用が高くなる理由はおわかりいただけたかと思います。
では車検費用を安くするためにはどうしたら良いか?
そのコツは、
部品を安く調達すること
過剰整備をさせないこと
この2つだけです。
具体的には下記のような整備工場がおすすめです。
- 新品だけでなくリビルト品やOEM部品での交換にも対応している
- ユーザーと相談しながら必要な整備を選択できる
- ベンツ専用の診断機を持っている
- ベンツの点検・整備実績が豊富
ベンツは故障しやすいといわれますが、故障するリスク以上に故障したときの修理代が高くなるのがポイントです。
つまり、今すぐに必要な1~2万円ほどの部品交換を後回しにしたことで、後々になって数十万円の修理代になってしまうことがあるのです。
そのため、すぐに整備が必要な箇所と後回しでも問題ない箇所、リビルト品で対応できる交換部品など、予算に合わせて車検内容を相談できる整備工場が良いでしょう。
同じベンツでも車種や年式、状態によっても必要な整備内容は大きく異なります。
値段重視なのか整備重視なのかをはっきりさせて、いくつかの整備工場で見積もりを取ってみるのがおすすめです。
車検に通して売ったら高くなるの?
ベンツを車検後に売る場合、車検があることで買取価格はアップします。
ただし車検費用の以上の評価になることはないので注意が必要です。
車検費用が50万円かかったとしても、買取価格が50万円上がるわけではないのです。
10~20万円ほどプラスになれば良いほうで、ほとんどプラス査定にならない場合もあります。
ベンツの中古車が意外と安く買えたり、買取価格が下がりやすいのは、年々車検費用が高くなり、維持するのが大変になってくることの証明でもあるのです。
車検費用は新しいものほど安く、古くなればなるほど、どんどん高くなっていきます。年式の経過とともに故障リスクも高まり交換するべき消耗部品や修理が増えていくらです。
車検を通してあと数年乗るのと、売却して乗り換えるのでどちらがお得か、もし車検を検討しているななら、査定をうけて愛車の買取相場を把握しておくことも重要です。
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車を高く売るために一番大切なこと。
それは“それぞれに強みを持った複数の買取業者で査定をしてもらう”ことです。
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