世界で唯一のロータリーエンジンを市販車両に採用していたマツダ、そのマツダがロータリーエンジン搭載のスポーツモデルとして発売したのがRX-7でした。
RX-7の前にサバンナにロータリーエンジンと搭載した、サバンナRX-3というモデルがありましたが、このRX-7はそのモデルの後継モデルとなります。
初代モデルこそ12A型エンジンという少々扱いに困るものが搭載されていましたが、2代目モデルFCからはRX-7の主力エンジンとなりえた13B型エンジンが搭載され、更にターボチャージャーを武装したことでレシプロエンジンでは実現不可能といえるぐらいのすさまじい加速を体感することができるハイパフォーマンススポーツモデルとなりました。
更にパフォーマンスを煮詰めた形で発売された3代目モデルFDでは、FCをしのぐ優れた走行性能を持つようになり、エンジンパワーも280psを発揮するまでになりました。
しかし、このロータリーエンジンに過酷な試練が待っていました。
それが排ガス規制でした。
ロータリーエンジンは構造上、未燃焼ガスが出やすい傾向があり、それによって排ガス規制をクリアするのが難しくなりました。
そこでマツダが取ったのがNA化です。
NAエンジンであればターボエンジンより排気ガスの清浄化をすることが簡単で、それで何とか排ガス規制をクリアできるということになりましたが、動力性能が著しく落ちるということで、RX-7を名乗ることが恥ずかしいということから後継モデルとしてRX-8として生まれ変わったのでした。
NAとなったことによって250psへパワーダウン、ターボエンジンならではのパンチのきいた走りができない、それから当時筆頭株主であったフォードの要請によって4ドアセダンとして作らなければならなかったことによって、観音開きのリヤドアを搭載したものとなったことなどによって、人気が一気に下降してしまいました。
しかしこのRX-8にも今度は燃費規制という試練が襲い掛かり、それに対応することができないということで、RX-8もこの世から消えてしまったのでした。
この生産終了によって、同時に地球上からロータリーエンジンを搭載した量産モデルが消えたことになりました。
こういった経歴がある中で今からこれらの車を買おうというのであれば、やはりRX-7のFDが一番いいでしょう。
パワーもあるし、コーナーリング性能も抜群、そしてチューニングもしやすいので、これから走りを楽しむ、スポーツ走行を楽しむ方にはうってつけかと思います。