日産の中型大衆モデルであるブルーバードは古くからモータースポーツに使われていたモデルでした。
SSSというグレード名が付けられているものがいわゆるスポーティーモデルとして扱われていましたが、1987年に更にそれの上を行く、コンペティションモデルが発売されていました。
それがブルーバードSSS-Rでした。
このモデルは当時、国産自動車メーカーがこぞって参戦していたWRCに参戦していた自体において、ラリーが注目される中で国内ラリーに目を向けたラリー車両として作られたものです。
U12型ブルーバードをベースに1.8リッターターボエンジン、後期型では2リッターターボエンジンといったブルーバードとしては贅沢なエンジンを搭載し、駆動方式は当時のラリー競技では当たり前となっていたフルタイム4WDが採用されていました。
ビスカスカップリングをセンターデフとして用い、更に電子制御でクラッチを起動することによって前後トルク配分を変化させる機能を持たせたシステムを搭載していました。
それ以外にも、ロールケージの標準装備、それによる二人乗り化、コスワース製の鍛造ピストン、ステンレスエキゾーストマニホールド、高回転型高耐久タービン、ブーストアップなどの手が加えられており、標準モデルよりも大幅にパワーアップや走行性能の向上などが図られていました。
エンジンは前期型がCA18DET-Rで185ps、後期型がSR20DETで205psのものがあります。
パワー的には後期型の方が上ですが、この車らしいといえるエンジンはこの車のためにチューンされているCA18DET-Rのほうでしょう。