日産が小型大衆モデルとして作ったパルサー、そのパルサーの4代目モデルにあたるN14型の時代にとんでもないモデルが発売されていました。
それがパルサーGTI-Rです。
このモデルは日産がWRCに参戦すべくN14型パルサーのハッチバックモデルをベースに作ったラリー向けマシン。
通常では1.8リッターエンジンが最大であるところ、格上のシルビアなどに搭載されていた230psの2リッターターボエンジンであるSR20DETを搭載させ、駆動方式をビスカスカップリングをデファレンシャルギヤとしたアテーサを用いたフルタイム4WDとしていました。
パルサーの本来のクラスでは140ps程度が最大であった中で、230psのエンジンを搭載したことはかなり特別なことです。
今のように電子制御式のフルタイム4WDシステムなどなかった時代で、前後のデファレンシャルギヤ、センターデフにビスカスカップリングを用いたデファレンシャル機構を持つこのシステムは、かなり注目を集めました。
これに魅了された方が今でもたくさんいるようで、25年以上経った今でも中古車市場で高値で取引されています。
パルサーにおいてGTI-RというモデルはこのN14型の時代だけで、後にも先にもこういったラリー向けの特別モデルが作られてはいません。
ターボエンジンであることから現在でもチューニングのベース車両としての需要があり、チューニングパーツもたくさん販売されています。