ダイハツのコペン、スズキのカプチーノ、ホンダのビートといった軽スポーツモデルの売り上げが好調の中、少し遅れて発売されたのがこのマツダのAZ-1です。
当時のマツダは、スズキからの技術供与を受けながらスズキ車ベースの軽自動車を自社生産していた時代で、このモデルもスズキのアルトワークスをベースとして作られた車でした。
特徴的なのは、ドアの開閉方式とボディの素材です。
ドアの開閉方式は通常のヒンジドアではなく、輸入車などに採用されることが多かったガルウィングを採用しており、ドアパネルの下にあるグリップに手をかけて上に持ち上げる形で開閉するようになっていました。
しかし、ドア自体に強度を持たせることが必要であったため、サイドウィンドウを大きく開ける設計とすることができず、A3用紙サイズぐらいの開閉しかできませんでした。
そしてボディ素材ですがこちらは鋼板ではなく、ほとんどの部分をFRPとして軽量化を果たしてしました。
走行性能としては、動力性能的にはアルトワークスを同じエンジンを搭載していたので問題はなかったのですが、ストラットを採用したリヤサスペンションの作りがあまり良くなく、ピーキーな特性となってしまい、少しでも無理をするとスピンをしてしまったり、重心が高かったことから横転の危険がありました。
キャビンもエンジンルームが大きくせり出しているため、非常に狭く、軽自動車といっても乗る人の体格を選ぶ必要がありました。