トヨタにおいて、現時点までで一番最後まで販売されていたFFスポーツモデルがこのセリカです。
セリカはもともとは日産のフェアレディZに対抗すべく作られたFRモデルでA60型までFRレイアウトを持つモデルでした。
しかし、コスト削減のためにFFレイアウトを積極的に採用する中で、このモデルだけ大衆モデルの中でFRレイアウトを持つことは許されず、周囲の批判を買いながらFF化されてしまいました。
その時に発売されたのがT160型でFFとGT-FOURというスポーツ4WDモデルが発売されました。
しかしこのモデルでスポーツモデルとして扱われたのはGT-FOURだけで、FFモデルはカローラのハッチバックモデル的な要素が非常に強い扱いを受けていました。
その後、T180、T200、そして最終モデルのT230とモデルチェンジを繰り返していくのですが、T200まではT160同様にGT-FOURだけがスポーツモデルとして扱われFFモデルは陰に隠れていました。
最終モデルに関してはGT-FOURの廃止によってFFモデルだけとなり、スポーツモデルの需要の減少などもあり、多くの販売数を望むような車には作られることはありませんでした。
ただ、トヨタの車でこのクラスで気軽に買えるスポーツモデルがこのモデルしかなかったので、これを買うしかなかったという需要がありました。
現在中古車市場などに多く残っているのがこのT230モデルですが、小排気量化、NA化、パワーダウンというスポーツモデルによっては最悪のパターンをたどっているため、中古車としての人気はありません。
残念ながらセリカは人気のないまま生産終了となってしまい、その後の中古車市場でも注目されないというかわいそうな車になってしまいました。