三菱の中型モデルであるギャランは、まだコルトギャランと呼ばれているころからWRCなどのラリー競技において大活躍していました。
しかし、三菱はラリーに参戦させる車をランサーへスイッチしたことによってしばらくは単なる大衆車として作られたのですが、1987年に発売された6代目モデルの時に、再度ラリーにチャレンジすることになったのです。
そのために作ったモデルがギャランVR-4と呼ばれるモデルで、市販モデルにおける最上級グレードとして販売されていました。
エンジンは、名機と呼ばれる4G63型、2リッター直列4気筒DOHCターボエンジンで最大で240psを発生させていました。
このエンジンはのちにランサーエボリューションへ採用されることとなり、エボIXまで使い続けられることになります。
駆動方式は三菱が得意とするフルタイム4WDとなっており、FFベースのレイアウトに可変トルク配分機能が付けられたセンターデフを持つものが採用されています。
この4WDシステムもランサーエボリューションシリーズに受け継がれることになり、それ以降のランサーエボリューションシリーズやGTOなどにも使われるようになりました。
エンジンパワーも高いですし、4WDシステムも優れている、足周りもそこそこいいといったように平均して性能の高い車といっていいですが、電子制御パーツをたくさんつけたことによって車両重量がかなり重たくなってしまい、それが走行性能に大きな悪影響を与えてしまうことになりました。
WRC参戦モデルがこのギャランVR-4からランサーエボリューションに変更になったことからもその影響の大きさを知ることができるのではないでしょうか。