トヨタが初めて作ったミッドシップレイアウト・スポーツとなったのがこのMR2でした。
日本にはそれまでにFRやFF、RRといったものの確立された技術はありましたが、ミッドシップレイアウトの車を作る技術がなく、トヨタとしても試行錯誤作った形となりました。
シャシーもエンジン配置もドライブトレーンのすべてを流用パーツとし、特にエンジンとドライブトレーンはFFのカローラのものを採用し、単純な話、FFレイアウトを前後逆にして作ったような車でした。
これにはトヨタ流の販売面からくる心配がありました。
ミッドシップレイアウトの車を作る技術はない、スポーツモデルとして成り立つかどうかわからない、そういった車にはお金を掛けれない・・・といった考え方があったわけです。
そのため思い切ったことができなかったので、全くエンジンレイアウトが違う車なのに既存車種の流用パーツでの車作りになったわけです。
そのため、走行性能は最悪、特にコーナーリング性能はもはや危険といえるほどでした。
ハイスピードでコーナーに突っ込むとすぐにアンダーステア、そのアンダーステアを立て直そうとパワーオーバーステアに持ち込もうとするとリヤタイヤが簡単にリバースしてしまい、アンダーステアを立て直すどころか、カウンターステアも間に合わないようにオーバーステアになってしまいます。
全体的にコーナーリング時の限界も低く、エンジンパワーもないことからスポーツ走行に向かない車で、見た目だけのスポーツモデルとして扱うべき車でした。
小型2シーターモデルですので当然ながら実用性も全く持っていませんでした。