街中ではワイルドな一面を見せる車として安定した人気の高いランドクルーザーですが、この車の本来の目的というのは、そういった軟弱なものではありませんでした。
ランドクルーザーの始まりは太平洋戦争の戦後にさかのぼります。
当時、軍を廃止していた日本では通常の警察よりも大規模な治安部隊としてのちの陸上自衛隊である警察予備隊なるものを作ったのですが、そこで使用する多目的車を導入する必要があり、そのための車を各方面から募集することにしたのです。
その候補車両の1台としてトヨタが作ったのがトヨタジープBJという四輪駆動車、残念ながら三菱ジープが採用されることになり、導入されることはなかったのですが、トヨタはそのトヨタジープBJを市販化することにして登場したのがこのランドクルーザーだったのです。
従って、ランドクルーザーは、明確な軍用車両であって、アスファルトだけではなく悪路も走れなければいけないのです。
もちろん乗り方も同じで、街乗り用の大きなワゴン車という扱いではなく、積極的にオフロード走行を楽しむような使い方をしなければいけないのです。
現在のランドクルーザーユーザーのほとんどが悪路走行をしたことがない方が多く、中には4WDシステムの使い方すら知らない人間もいるので、実際にはランドクルーザーの本来の使い方とは全く違う使い方をしていることになります。